「全部つながっていた。あの日準備したことが、いまの指導につながる瞬間」
今日は、術後2日の患者さんをスタッフと一緒に受け持つフォローの日でした。
フォロー対象のスタッフは看護師7年目。でも今年の1月に異動してきたばかりで、これまで慢性期の病棟にいたため、急性期の看護はまだ不慣れなところがあります。
朝、彼女に問いかけてみました。
「この患者さん、今どうアセスメントしてる?今日は何をするつもり?」
そう聞くと、返ってきたのは「ケアをして、ベッドを乗り換えて、リハビリをして…」という返事。
ああ、この子はまだ“業務”で患者さんを受け持っているんだなと気づきました。
だから、こう伝えました。
「今日は“術後の状態をアセスメント”して患者さんを受け持ってみようか。業務じゃなくて、心臓の状態や呼吸の変化を、ひとつずつ見ていこう。」
知識が“生きる”瞬間
その後、術前の弁の状況、術後の管理、血行動態、呼吸音、抜管前の評価…。
一緒に確認しながら、看護師として何を見て、何を考えるべきかを共有していきました。
ふと気づきました。
これは全部、私がこの間学生に教えるために準備してきた講義内容だ…
発表練習をして、何度も資料を直して、苦手だった呼吸音の知識を勉強して。
「これ、あの講義で使った言葉だな」
自然にその言葉が自分の口から出てきた瞬間、胸が熱くなりました。
教育って、未来の自分に返ってくるもの
あの時、なぜあんなに一生懸命になったのか。
それはたぶん、「伝えたい」という想いがあったから。
でも、あの努力が“今ここ”につながるとは、当時は思ってもいませんでした。
教育って、“未来の自分”を助けてくれるものなんだと実感しました。
ただ“知っていて、感覚でやっている”ではなく、“伝えられる”知識がある。
だから、今日を含め最近のフォローはこれまでにないくらい質が上がってきた、と実感できる。
全部、つながっていた
今回、指導できたのは新人だけじゃない。
呼吸音も、アセスメントの視点も、知識の整理も。
フォロー対象のスタッフにも、新人看護師にも、同じように活かすことができた。
あの時の学びが、今、誰かのためになっている。
準備してよかった。努力してよかった。
それを今日、心から感じました。
おわりに
教育って、“コスパ最強”なんです。
だって、あのときの自分がやってきたこと全部が、今日の行動につながっているんですから。
これからも、ひとつずつ丁寧に積み重ねていこうと思います。
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