たった一言が気づかせてくれたこと
ある日、夜勤明けの私の耳に入ってきた一言。
「何も書いてねえな」
ファイルを開いて、日勤でフォロー中の教育対象者の振り返りを確認しにきたスタッフのつぶやきでした。
私はその言葉に対して、聞こえないふりをしましたが──
頭の中では電気が走ったような感覚がありました。
これは改善のチャンスだ。
教育の“仕組み”はある。でも“伝わっていない”
実際、当院ではすでに
- 教育対象者ごとのファイル
- 目標や学習状況の記録
- 本人の経験した振り返りの記載 など
教育体制の土台はしっかり作ってきたつもりでした。
けれどその一言が突きつけてきたのは、
「その情報、現場で活かされていないよ」という事実でした。
気づいたのは、2つのボトルネック
① フォローするスタッフが、必要な情報にすぐアクセスできない
→ ファイルをわざわざ見に行く必要がある/見に行っても内容が薄い
② 教育対象者が、自分の課題やフォロー希望を具体的に書けていない
→ フォローする側も「何をしたらいいのかわからない」
そこで思いついた新たな仕組み
「じゃあ、見たい情報を見たい形でまとめよう!」と考えて作ったのが、
✔ 各教育対象者の目標達成状況
✔ 今月の課題や取組内容
✔ 学習項目ごとの進捗
✔ 指導者からのアドバイス
などを、一つの一覧表にまとめたフォローシートです。
これを各パソコンからいつでも確認できるようにすれば、
フォローするスタッフはその日の朝にパッと確認してすぐに指導へ。
教育対象者にとっても、「何を」「どう」頑張ればいいかが明確になる。
現場から生まれたからこそ、“生きたツール”になる
私はこれを**「教育のお便り」**のように、毎月更新して運用していきたいと思っています。
これまではただ“達成/未達成”の一覧だったものが、教育の道しるべになる資料へと進化しました。
一言の重みを見逃さない目を
「何も書いてねえな」
この一言が、私にたくさんの気づきをくれました。
何気ない言葉でも、それは時に
現場の本音であり、
教育をもっと良くするチャンスの芽でもあります。
仕組みが人を動かすのではなく、人の動きが仕組みを進化させる。
そんな体験を、また一つさせてもらいました。
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