こんにちは。今日は、新人・若手スタッフの「学び方」について書いてみようと思います。
現場で関わる中で、気になっていたのが「自己学習が実践にうまくつながっていない」ということ。
何かできることはないかと考えて、スタッフとの対話、そしてAIとの対話を通して、
一つの「学び方のアップデート」にたどり着きました。
学習方法、聞いてみたら…
「勉強ってどうしてる?」
そんなふとした問いかけから始まりました。
1年目〜3年目の看護師たちに聞いてみると、多くの答えは「手書きのまとめノート」。
カラーペンを使って工夫したり、図を描いて理解を深めたり…。
一見すると一生懸命で、すてきな努力にも見えます。
でも、続けて聞いてみると——
💬「ノート作ったけど、見返してないです💦」
💬「勉強してるのに、自信が持てなくて…💦」
💬「現場ではどう活かせばいいか分からなくて…💦」
といった声も多くありました。
書いて満足してしまう、という落とし穴
これまで教育委員としてスタッフと関わる中で、
例えば「心不全を勉強してきて」と言っても、
本人たちはどのように勉強したらいいのかわからないとうことが現状としてわかりました。
範囲が広すぎるのです。
🗣️「まとめるにもどのようにまとめたらいいのか…💦」
という発言がよく聞かれていました。
私は、そこを考えたり、悩むことに時間を費やすことが無駄だと思い、
今年度からは、「心不全」という項目を更に細分化した学習チェックリストをもとに
自己学習を進められるように病棟に必要な各疾患や理解が必要な学習項目を作りました。
私自身も、かつては同じように「書いてまとめて覚える」タイプでした。
でも、その方法がすべてではないことを、今は強く感じています。
最近では、「書いてまとめること」自体が時間の無駄だと感じているからです。
ノートにまとめた知識を、現場で“自分の言葉で説明できるか”
その視点で見ると、「学習した気持ち」だけが残って、実践力につながっていないことが見えてきたのです。
スタッフと一緒に考えた「学び直し」のかたち
そこで、「どうすれば、学んだことを現場で活かせるか?」を一緒に考えることにしました。
「AIを活用して自分が理解しやすいようにまとめてみて」と提案しました。
ですが、AIの活用方法自体がわかっていなかったので、お勧めのAIと質問の仕方を教えました。
スタッフには、まずはAIを活用して自己学習をしてもらっている間に、
私は私で、学習テンプレートをAIと考えて作りました。
具体的には──
- 処置や術式ごとのテンプレートをAIと一緒に作成
- テンプレートには「観察ポイント」や「設定の目的」「実際の記録欄」も含める
- ただ読むのではなく、「書きながら、振り返りながら学ぶ」流れをつくる
たとえば、CABG(冠動脈バイパス術)やIABPなどのテンプレートをAIと一緒に作っていきました。
テンプレートを使う目的は「思考の補助線」
このテンプレートのねらいは、
“考える力を奪う”ことではなく、“考える視点を育てる”ことです。
- なんとなく観察していたことに、意図が持てる
- IABPの設定が「なぜそうなっているのか?」が分かる
- 振り返るときのヒントになる
こうした思考の補助線を用意することで、学びが現場で「使えるもの」へと変化していきます。
でも、ちょっとした葛藤もあり…
正直に言うと、この方法を考えながら、
「そこまでやってあげるのはやりすぎかも?💦」という気持ちも、どこかにありました。
ですが、気持ちを切り替えて、
「術後患者やメカニカルサポート挿入患者を自立して受け持てている看護師と同じ視点で患者さんを見る力を養う」ということに意識を変えることにしました。
また、対象者も絞りました。
- 2年目〜3年目
- 術後患者やメカニカルサポート挿入中の患者を見る機会が増える
- 自己学習が臨床に活かせていない
- そもそも自己学習がうまくいっていない
- ステップアップに時間がかかっている
上記を満たすスタッフにしぼり、
AI自己学習と学習テンプレートを活用した受け持ちスタイルを実践することにしました。
まだ、思いつきホヤホヤで、活用することにワクワクしています…✨️
共育デザインの一歩目として
この取り組みは、私自身にとっても「学び直し」でした。
AIという新しいツールを、看護教育にどう活かせるか。
正解がない中で、若手と一緒に試行錯誤しています。
次回は、実際にこのテンプレートを使って、
どんな変化があったのかをレポートできたらと思っています。
最後に:あなたの職場ではどうですか?
あなたの周りの若手たちは、どんな方法で学んでいますか?
その「学び方」、現場で本当に活かせていますか?
少しでも、「学び方を見直してみようかな」と思ってもらえたら、うれしいです🍀
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