はじめに
夏の夜、友人たちと花火をしていたときのこと。
外は蒸し暑く、周りは顔や頭から汗を流していました。
額や首筋から汗がぽたぽた落ちる人もいて、「暑いね〜」とみんなタオルで顔を拭いています。
私はというと…顔はサラサラ。
「全然汗かいてないじゃん!」と笑われたけれど、
実は背中と体幹は水滴が立つほどびっしょり。
Tシャツの中はまるで水をかけられたような状態でした。
これ、私にとっては珍しいことではありません。
トレーニング中でも同じで、背中や胸のあたりはよく汗をかくのに、
顔や腕、足はほとんど汗が出ません。
汗をかく場所は人によって違う
人間の汗腺は全身にありますが、その働き方には個人差があります。大きく分けると、
- 体温を下げるための汗(温熱性発汗)
- 緊張や感情で出る汗(精神性発汗)
があります。
私の場合、このうち「温熱性発汗」が体幹部に集中して働いているようです。
背中や胸の汗腺はとても敏感なのに、顔や四肢はあまり反応しません。
一方で、顔や頭から大量に汗をかく人は「精神性発汗」が強いタイプ。
体質の違いで、汗のかき方や場所は人それぞれなんですね。
見た目と実際は違う
学生時代、部活動で練習していたときも同じことがありました。
顔が涼しげなせいか、「本気でやってるの?」と冗談混じりに言われたことがあります。
でも、汗は“見えるところ”に出るとは限りません。
服に隠れた背中やお腹周りはしっかり冷却中で、体温調節はきちんと行われています。
この経験から思ったのは、
「人の頑張りは見た目だけで判断してはいけない」ということ。
見える汗が少なくても、全力で動いている人はたくさんいます。
逆に、汗が多いからといって必ずしも全力というわけでもありません。
教育の現場にも似たことがある
この「見た目と実際は違う」という現象は、教育の現場でもよく見かけます。
例えば——
- 声を出していないからやる気がない
- 表情が硬いから理解していない
- リアクションが薄いから関心がない
こういった判断は、外側の一部だけを見て下してしまったものです。
実際には、静かに真剣に取り組むタイプの人もいますし、
理解はしていても表情に出ない人もいます。
“汗の量”と“本気度”が必ずしも比例しないように、
表面的な反応と内面の努力も一致しないことがあります。
おわりに
汗のかき方も、人の頑張り方も十人十色です。
大切なのは、その人なりの努力や成長のサインを見逃さないこと。
もし、誰かが顔から汗を流していなくても、それは手を抜いている証拠ではありません。
逆に、汗びっしょりでも体幹は冷えていて、思ったほど疲れていない場合だってあります。
本気度は、汗の量だけじゃ測れない。
これは、私が体幹だけ汗をかく体質から学んだ、ちょっと不思議で、でも大切な気づきです。
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