“真似”から始めた教育計画が、病棟のスタンダードになった話

ゼロから仕組み化
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“真似”から始まった、仕組みづくりの物語

この記事は自分の経験に基づく実話です――

看護師として、そして教育担当として、私は特別なスキルがあるわけではありませんでした。


初めて作った新人看護師の年間計画は、目標と到達項目だけのシンプルなもので、
当時は「これで十分」と思っていたんです。

でも、外部の教育研修に参加したとき、私はその考えを大きく揺さぶられました。

知ってしまった、他院の教育計画の“厚み”

研修に持参したのは、自分の作った新人年間計画と、
病棟の教育上の課題(統一性のなさ、プリセプターの受け身、新人の主体性の不足)をまとめたレポート。

他の病院の年間計画を見せてもらうと、
そこには「誰が」「いつ」「どのように」関わるかが細かく記されており、
プリセプター・メンバー・主任・師長・教育委員それぞれの役割が丁寧に盛り込まれていました。

私は正直、ショックを受けました。
「ああ、私の作ったものは“計画”と呼ぶには、まだ薄っぺらかったな」と。恥ずかしくなりました。

夜勤中、一晩で仕上げた“本気の計画”

悔しさよりも、やる気が勝ちました。
「とにかく、やってみよう」
そう思って、夜勤の静かな時間に一気に書き上げました。

まずは、研修で配布された資料を真似するところから。
でも、真似をしていくうちに、自分の病棟に合ったオリジナルの要素が自然と加わっていったんです。

役割分担、月ごとのテーマ、新人の成長段階に合わせた支援内容、達成評価の記録欄。
どれも「これなら全体で共有できるかも」と思えるものでした。

気づけば、それが“病院全体の基準”になっていた

翌年度、その計画書をもとに、各病棟でも年間計画を作る動きが始まりました。
「このフォーマットを使ってみよう」と自然に広がっていったのです。

現在では、毎年「もっとシンプルに、もっとわかりやすく」を意識しながら、
自分の中でもアップデートを重ねています。

「教育は、真似ることから始まっていい」

「オリジナルじゃないとダメ」なんてことは、まったくありませんでした。
誰かのいいものを取り入れて、自分たちらしく変えていけばいい。
そうして出来上がった“仕組み”が、病棟全体のスタンダードになったのです。

これからも、教育に関わる一人として、
「続けられる仕組み」「育っていく文化」を丁寧に整えていきたいと思います。

終わりに

この話が、誰かの「やってみよう」のきっかけになりますように。
今日も、現場の看護と教育に心を込めて──

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