育てたいのに、時間がない――教育委員としての葛藤と希望

教育の葛藤と成長
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教育って、綺麗ごとじゃ済まない。
時間も人手も足りない中で、それでも「育てたい」と思う気持ちだけは手放せない――
この記事では、病棟の現場で教育に向き合っている教育委員の私が感じている「現実」と「理想」と「これから」について、正直に書いてみようと思います。

教育に向き合う日々は、理想と現実のせめぎ合い

 「育てたい」――それが私の正直な気持ち。
 けれど、現実はそんなに甘くない。

 業務は山積み。人手も足りない。
 「今は難しいから、あとでね」…とか、教えられる側に時間がない場合もある…
 私が教育に向き合いたいと思う相手も、全員が素直で前向きなわけではない。

 何回言ってもわからない。
 同じミスを繰り返す。そもそも、社会人として働く態度に問題がある…
 「育てがいのない子」と、ふと感じてしまうことさえある。

 でも――それでも、見捨てたくない。
 どんな子にも、その子なりの成長のきっかけがある。
 私は、その「きっかけ」に寄り添える人でいたい。

それでも私が“育てたい”と思い続ける理由

 教育って、簡単じゃない。
 でも、だからこそ、やりがいがある。

 私は教育という経験を通して、相手の“塩梅”を見極める力を育ててもらった。
 「どこまで攻められるか」「どこで支えるか」
 「イベントの有無」「患者数」「その人の力量」
 すべてを総合的に判断して、適切なチャレンジを与える。

 来る日も来る日も、
 「自分がリーダーだったら?」
 「教育としてこれは妥当か?」
 「協力体制・フォローの力量・病床状況…本当にこれで回るか?」
 そんなことばかり考えている。

 この“感覚”は、経験の中でしか得られなかったもの。
 だからこそ、次の世代にも、丁寧に渡していきたい。

病棟の体制が変わるとき、教育対象も変わっていく

 今、病棟では「加算を取る」ための体制強化が進められている。
 つまり、病棟の質をより高め、重症患者にも対応できるスタッフを増やす方向に舵が切られている。

 これは教育委員としては「チャンス」でもあり、「試練」でもある。

 なぜなら、教育の対象が新人だけでは足りなくなるから。
 中堅層のスタッフも、戦力としてさらに引き上げていかなければならない。
 「できる人」をつくるだけでなく、「できるように導ける人」を育てる必要がある。

教育委員として、これから整えたいこと

 私は今、「教育者が育つ仕組み」を整えたいと思っている。

 ・中堅スタッフのモチベーションを高めること
 ・負担の偏りをなくし、共に育て合う風土をつくること
 ・誰かが疲弊する前に、支え合えるチームになること

 忙しい現場だからこそ、仕組みが必要だと思う。
 「時間がないから無理」ではなく、
 「育てるには、どんな工夫ができるか」を常に問い直していきたい。

最後に

 教育は、未来をつくる行為だと思っています。
 うまくいかないこともあるし、理不尽なこともある。
 でも、だからこそ、あきらめたくない。

 スタッフ一人ひとりが「育てる側」に回れるように。
 そして、教育が“自分ごと”になるように。
 その第一歩を、教育委員である私たちがつくっていく。

 あなたと一緒に、この現場を、より良くしていけたら嬉しいです。

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