はじめに
私が教育委員になったのは、ある“転機”のときでした。
病棟で教育体制の見直しが始まった、そのちょうど真ん中に立たされたのが、当時の私です。
教育委員に任命されたきっかけ
教育委員を変えるきっかけとなった副師長さんが、師長に昇進したタイミングで、
私は教育委員に任命されました。同期も同時に任命され、
教育体制を整えてくれたあるスタッフから、オリエンテーションを受けました。
その内容は、新人時代に私たちが受けていた
- 日々の振り返りの確認
- 目標シートのチェック
- 技術の習得状況を段階的に評価する「フォローレベル早見表」
といったものでした。
しかし、その中には明確な教育手順や年間計画は存在していなかったのです。
「なんとなくの流れ」との違和感
これまでの教育には、「何ヶ月で何をやる」といった目安的な流れはあっても、具体的な道筋や全体像はありませんでした。
そんな中、私は「新人担当」、同期は「既卒担当」と役割が分かれ、教育がスタートしました。
新人教育では、
- 新人
- プリセプター
- サポーター(主任)
の後ろに、“もう一歩引いた立場”としての私がいるという感覚でした。
正直、最初は「進行状況を確認するくらいしかやることがない」と思っていました。
でも、私は“何かしら意義を持ちたい”と思い、できることを探し始めました。
何もないところから始めることの大切さ 〜私が最初に始めたこと〜
- 新人ナースへの積極的な挨拶
- 振り返りシートへのコメント
- プリセプターやサポーターへの声かけや依頼(コメント未記入時など)
こうした日々の小さな積み重ねが、少しずつ自分の役割への意識を変えてくれました。
年間計画作りという“試練”
ある日、突然言われました。
「年間計画、作ってくれる?」
正直、「今までなかったのが逆に不思議」と感じた反面、
それだけ“過去の教育体制が機能していなかった”ことを実感しました。
幸いにも、3年前の新人ナースの振り返り記録や月目標が残っていたので、
それを読み込みながら、進行の流れを年間スケジュールに落とし込みました。
私の“力作”ができるまで
初めての年間計画。
- 年間目標
- それを達成するための各月の目標
をまとめ、「1年をかけて夜勤に入れる計画」を軸に作成しました。
この時、自分でも「これは力作だ」と思える内容になりました。
計画を“生きたもの”にする工夫
年間計画は、作って終わりではありませんでした。
私は以下のような工夫をしながら、進行状況を見える化し、実用的なものへと進化させていきました。
- 早く達成できた目標
- 意外と時間がかかる内容
- 技術達成が見えにくい項目のピックアップと強化
- 色分け・コメントで視覚的に把握できる工夫
こうして、1年目の新人教育は試行錯誤の連続でしたが、
自分なりに意味のある歩みを重ねていくことができました。
今振り返ってみると、この教育計画作成がきっかけで、
今後どんな教育体制が必要かを深く考えるようになりました。
教育計画の見直しや、もっと新人看護師の成長を見守る体制を強化していかなければいけないなと感じました。
おわりに
教育委員に任命されたあの日から、私は「自分の役割をどう意味づけるか」を常に考えてきました。
最初はただの確認係。
でも、そこに“自分なりの工夫と思い”を重ねることで、大きな学びとなりました。
そして、初めての新人教育計画作成は、私にとって大きな挑戦でした。
でも、思い返すと、その挑戦を通じて学んだことがたくさんあります。
教育体制の整備といっても、一度で完璧になるわけではありません。
これからも、「教育をただ与える」のではなく、“ともに考え、育て、整えていく”
そんな教育委員でありたいと思います。
あなたの病棟ではどうされていますか?
皆さんの病棟では、新人教育計画や新人教育について、どんな取り組みやどんな工夫をされていますか?
ぜひコメントで教えてください!
次回予告
次回は、「教育実習を通して覚醒した私」について綴りたいと思います。
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